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2014年1月18日土曜日

ムサカ(コクふわバージョン)

ずいぶん前にギリシアの伝統料理ムサカの作り方を載せました。
きっかけは「ムサカ 作り方」でググってみたら「簡単レシピ」みたいなのがほとんどで「これはムサカじゃないだろ」と思ったから。このブログでいちばんアクセス数が多い記事です。


前のレシピは「軽さ」を前面に押し出しました。確かにギリシアのムサカは「軽さのグラタン」です。特にベシャメルソース(ホワイトソース)はふわっふわ。これが本格ムサカかどうかの分かれ目です。



しかし最近、少し考えが変わりました。

ギリシアで美味しいムサカを何度か食べて、
「ベシャメルソースはふわっふわ。しかしトマトソースはしっかりコクがある。そのコントラストが織りなすハーモニーの料理だ」
と思うようになりました。それが今回の「コクふわバージョン」。
前のは前ので気に入っていますので「改良版」とはしないことにしました。


ムサカのポイントをおさらいしておくと

(1) ムサカは、挽肉トマトソースとナス(ジャガイモの場合もある)を重ね、ベシャメルソースを載せてオーブンで焼くギリシア伝統のグラタン。
(2) チーズと卵を加えたふわっふわのベシャメルソースが命。ベシャメルソースにバターを使わない。


今回変わった点は

(3) トマトソースをしっかりコクのある味つけにする。ただし、オリーブオイルをできるだけ少なくする点は変わらず。ナスをオリーブオイルで炒めるので油分はそれで十分。
(ギリシア料理は基本的にオリーブオイルを使うのですが、ギリシアのムサカは決して油っこくありませんでした。)


好みですが、ホワイトソースは多めの方がおいしい。下の分量は標準的な量です。
耐熱容器は深めのものを使ってください。
その他、細かな新しい工夫も加えてあります。


本格ムサカの作り方(コクふわバージョン)


《材料》
ナス     5~6本(大きさによります。少ないと困るので加減してください)

牛挽肉    300g
玉ネギ    1 個
セロリ    少々
パセリ    少々
トマトの缶詰 1 缶
乾燥トマト  4~5枚
オレガノ、ナツメグ、シナモン、ミントの葉   適量
赤ワイン   大さじ3

薄力粉    90cc
牛乳     500ccちょっと
卵      1 個
チーズ    1 カップ(約半分がクリームチーズ。後述)

EVオリーブオイル
塩胡椒


【1 材料を切る】
(1) ナスを薄切りにして軽く塩をふっておく。しばらく置いたら水洗いしてペーパータオルなどで水気を取る。(めんどくさい人は切るだけ)


(2) タマネギ、セロリ、パセリ、ミントの葉(多すぎたらくどい)をみじん切りにする。これらは一緒くたにしていいが、タマネギのごく一部をみじん切りせずに長いまま残して別にしておく。

(3) チーズを細かく刻む。

わたしはクリームチーズとハルーミというギリシアのチーズを同量、それに削ったパルミジャーノを少々加えています。ハルーミが手に入らなければ何か固いチーズを使う(グリュイエールやハバティーもいいかも)。要するに、軽やかなクリームチーズにややコクのある固めのチーズを好みで合わせるということです。


【2 ミートソースを作る】
(1) 鍋に牛挽肉を油をしかずに入れる。出てくる水分を飛ばすようにしばらく炒め、肉をパラパラにする(これは大事です)。焦がさないように。

(2) 肉がパラパラになったらタマネギ・セロリ・パセリ・ミントの葉を入れて炒める。
(牛挽肉の脂の量によりますが、最近わたしはミートソースにまったくオリーブオイルを入れません。焦げそうだったら、このときにほんのひと垂らししてタマネギ等を入れてください)

赤ワイン、オレガノ、ナツメグ、シナモンを加え、乾燥トマトをはさみで細く切って入れる。オレガノの代わりにディルの葉を刻んで入れることもあります。

(3) タマネギが半透明になったらトマトの缶詰を入れて塩胡椒で味つけ(ベシャメルソースに塩を入れないので気持ち強めに)。水気を飛ばし、肉にしっかり味をまとわりつかせる(非常に大事です)。


【3 ベシャメルソースをつくる】
わたしはミートソースのトマトを放り込むあたりからベシャメルソースを作り始めます。

(1) 鍋にオリーブオイルを熱し、薄力粉に十分熱を通す。このとき、分けておいた少量のタマネギも入れます(ダマになりにくい)。くどいようですが、ベシャメルソースにバターは使いません。これが軽さの秘訣。

(2) ダマにならないよう少しずつ牛乳を加えてなめらかなソースにしていく(ふつうのベシャメルソースと同じ要領です)。中弱火。あとでチーズと卵を加えるのでややゆるめに作る。

(3) 刻んだチーズを入れてかき混ぜながら溶かし込む。完全に溶けなくても大丈夫です(ハルーミは完全には溶けないと思います)。

(4) チーズがあらかた溶けたなと思ったら、溶いた生卵を入れて手早くかき混ぜ、火が通りすぎないうちに火を止める(当たり前か)。卵を1個にするか2個にするか迷うところ。わたしは最近1個にしています。
最初に焼けたナスで容器に
オリーブオイルを塗ります。


【4 ナスを焼く】
フライパンにオリーブオイルを入れて薄切りにしたナスを中火で次々に炒めていく。

ナスは油を吸います。これを利用して、オリーブオイルを含んだナス1, 2枚で耐熱容器を拭くようにすると、あらためてオイルを塗る必要がない。


【5 重ねる】
(1) 耐熱容器の底にナスを敷き詰める。

(2) ナスの上にミートソースの半量、その上にナス、その上にミートソース、その上にナスを敷きつめる。ナスを炒めながら重ねていくと時間短縮できます。
いちばん上がベシャメルソース(好みでパルミジャーノをふりかけても良い)。


【6 オーブンで焼く】

ガスオーブンなら180°、電気オーブンなら210°で30~40分が目安。表面にうっすら焦げ目がつく程度まで焼いたら完成。切り分けて食べる。オーブンで焼いているあいだにサラダやパンを準備する。



4 件のコメント:

  1. ムサカ非常に美味ですよね。
    私がギリシアに旅行に行った時、立ち寄るレストランで毎回のように出てきました。

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    1. >keilz skさん
      イタリアのラザニアより美味しいと思います。グラタンなのに食べた感じが重くないところが好きです。

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  2. はじめまして。現在アテネ在住のsatokoと申します^^
    以前、ムサカのレシピを検索している時にこのページにたどり着きました。
    それ以降、ベシャメルを作る時はいつもこのレシピにお世話になっています☆
    ギリシャ歴2年目にして、今更ブログを始めましたので、もし宜しければご覧ください♪
    http://blog.livedoor.jp/greeklife/

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  3. satokoさん、コメントありがとうございます。ブログのぞいてみます。よろしくお願いいたします。

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