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2015年10月30日金曜日

強烈——黒ワインとトリッパ

寝酒に床下倉庫をあさったら
「ル・パラディ カオール 1999」
が見つかりました。

カオールを飲むのは初めてです。

開けたては強烈な埃、枯れ葉の立ち香。
激しいタンニン。

「これはいかん!」
と思って大きめのグラスに移して回し、
しばらくほったらかしに。



その間にネットで「カオール」を調べました。

フランス南西部のカオールの赤は
マルベックを使ったもので、古いのを飲むのがふつうのようです。
だから1999年というのは格別古いわけじゃない。

「黒ワイン」と呼ばれることもあるらしい。
確かに黒みがかっている。

ブルーチーズと合わせるとも書いてある。

なるほど。
この強烈さならブルーチーズに負けないだろう。

ブルーチーズはないので、
冷凍庫からトリッパのトマト煮を取り出して温めました。
作り置きしておいた奴です。
これに上質のオリーブオイルとパセリを散らしました。


カオール、時間を置くと劇的に香りと味が変わります。
熟した果実香とコーヒーみたいな香りが加わり、
タンニンの角が取れて、適度な酸味も出てきました。

それでもどっしり強烈。
フランスの田舎の味です。


味のタイプは違うけど、
イタリアの「タトール」を思い出しました。
プリミティーヴォという葡萄を使った濃厚で荒々しい赤。

それから、日本酒だけど
奈良の「花巴(はなともえ)」。
新潟の淡麗辛口の対極にある超ヘビー級ボディーの酒です。
香りも強いナッツ系。


こういう感じの酒は好きです。
しょっちゅう飲むにはきついが、
ときどき飲みたくなる。


乾燥トマトとシェリーとアンチョビでコクを出したトリッパのトマト煮、
予想通り、「ル・パラディ・カオール」のつまみとして合格でした。


2015年10月21日水曜日

くすんだ脚本——『相棒』Season14

(ネタバレあり。注意)

シーズン14第2話「或る相棒の死」

うーむ。
くすんだ脚本だ。パッとしない。

警察の組織腐敗を暴こうとした元警察官が殺される、という事件。
そういう事件の枠組み自体がパッとしない。


このモヤモヤ感の原因をなんとか整理すると三つかな。


一つめ。
殺人のトリック解明がない。
というか、殺人自体が脚本の中であまり重要な位置を占めていない。
だから『相棒』の肝心要の「殺人方法の謎解き」のカタルシスがない。


二つめ。
第一話「フランケンシュタインの告白」について書いたことなんだけど、
新しい相棒、冠城亘(かぶらぎわたる)がこれまでの相棒と違う新しいところは、
「未熟な弟子」ではなく「老獪なよそ者」である点。
老獪な(ということは右京と対等な)冠城がどんな風に「弟子になりさがっていく」のかが本シリーズのおもしろさの肝(きも)だと書いたのですが。

今回の冠城は老獪さが足りない。
右京に対等に対峙してない。
「弟子になるのが早すぎる」印象です。


三つめ。
紅茶と煎茶とコーヒーの詰めの甘さ。

誰が脚本を書いているかにそれほど関心はないのですが、
今回の脚本を書いた真野勝成は、シーズン12の「右京さんの友達」を見て、
おっ、やるじゃないかと思いました。

文化の産物を通じた人と人のつながりをうまく描く脚本だと思った。


今日は、
右京の紅茶、甲斐峯秋の煎茶、冠城のコーヒーという
それぞれがこだわる飲み物がどんな風に物語の展開に絡んでくるかと期待したのですが。
脇筋のエピソードで終わってしまった。

だけじゃなくて。
コーヒーの扱いに不満がある。

冠城亘は、ものすごく上質な豆にこだわっているわけではなく、
入れ方にこだわる。
わたしはコーヒーが大好きだし、
豆の質はもちろん大事だけど、入れ方が決定的だと思ってる。
(100g数千円のコーヒー豆なんてうまいんだろうが、ふつうの人が買えるしろものじゃない)

わたしは同じ豆を使ってコーヒーを入れたら、
たいがいの人に負けない自信はある。
その点で、冠城に共感します。

冠城はネルを使って、60°の湯で入れる。
わたしはネルは使わないし、60°はぬるすぎると思うのですが、
その辺は見解の相違なのでまあよいとしましょう。


しかーーーーし!!

実は、前の「右京さんの友達」でも気になっていたのですが、
右京がいつもやる、高い位置から湯を注ぐあのやり方真野勝成はこだわりすぎじゃないか。
紅茶ならまだしも、コーヒーであれをやったらとんでもなくまずいコーヒーしかできない。
冠城はそれをやってた。

コーヒーのうんちくを傾けるのがわたしの本意ではありません。



言いたいのは、
紅茶と煎茶とコーヒーという「文化」を脚本に使うのなら、
陳腐にならないレベルの使い方をしてほしいな、ということ。
今日のコーヒーはどう見ても陳腐だったぜ。


2015年10月19日月曜日

オステリア・ウン・パッソ in 蒲田

「オステリア・ウン・パッソ(Osteria Un Passo)
蒲田駅東口にあるイタリアン。
きちんと作った創意ある料理を出します。

何度か行ったことがあってお気に入りの店。
以前にも投稿したことがあります(前の投稿はクリックしたら飛べます)。
金曜日に気心の知れた仲間と訪れました。

今回はコースではなくアラカルト。
けっこう楽しめたので忘れないうちに投稿しておきます。


前菜は2品。
「真鯛のカルパッチョ」はカラスミを散らしてました。
おいしかったけどさほどの意外性はない。
地中海ではカラスミをよく食べます。
(日本より断然安いので、わたしはギリシアやトルコに行くとカラスミを買って帰ります)
生のポルチーニ

もうひとつは季節の生ポルチーニ。

たぶん1人前を3人に分けてくれたので、量は少ない。
でもスターターなので2品とも満足。
白ワインといっしょに楽しみました。

ここのワイン選びは楽しい。

好みを言うと数本見つくろって並べ、
適切で楽しい説明をしてくれます。

わたしたちは「ヴィーニャ・ロッカ」を選びました。
時間経過とともに味が変わっていく、というのが今日の料理の進み具合にぴったりだと思ったので。

樽仕込みじゃないのですが、写真の通り、濃い藁の色をしてます。
前菜のときは
「ちょっと軽すぎるのを選んじまったかなー」
と思ったのですが、
説明の通り、パスタが出てくるあたりからぐっとコクが出てきました。


パスタは2品。

何の魚だったか、もう忘却の彼方のパスタ。
材料は忘れちゃったけどこれはすばらしかったです。

緑のソースは九条ネギ。
これにチラリとではなく大胆な量のディルを合わせている。
このソースがすばらしかった。

いつだったかテレビで日本料理の中村孝明が、
釣りたてのスズキ(だったと思う)を、
仰天するような量のディルと他の香草といっしょに合わせて調理してたのを思い出しました。
とてもおいしそうだった。
ディルは個性的な香りだから他の香りと合わせるのを躊躇しちゃうんだけど、
(わたしはそうです)
意外にいろんな香りと合うのかもしれません。

このパスタを食べて、
ディルはほかの香りと合わせて平気なんだ、
自分でもいろいろ試してみようと思いました。

黒ムツ

平麺のトマトソースパスタもおいしい。
この辺で赤に切り替えました。



メインの魚は黒ムツ。


肉はドングリだけを食べたイベリコ豚。
ピンク色に焼き上げた豚すばらしいっ!
脂身がさわやかです。
並べられた食後酒


満足して食後酒を。
いろんなのを並べて説明してくれます。

わたしたちは、
一人がシボーナのグラッパを、
残り二人がバラの花のリキュールを選びました。
わたしはバラの花。
左がバラの花、右がシボーナ。


グラスから馥郁たるバラの香りが立ちのぼります。
香りだけじゃなく、
色もバラ色。


満足満足。


最後にシェフが挨拶に出てきてくれた。
若いのにびっくり。
いい料理人です。



2015年10月14日水曜日

フランケンシュタインの告白——『相棒』Season14

(ネタバレあり。注意)

反町隆史が右京の相棒!?
どうなることかと思いましたが、とりあえずは無難に切り抜けた気がする。

これまでの相棒たちは、師である杉下右京の「弟子」でした。

「弟子」であることは従順であることをかならずしも意味しない。
というか、「師」は弟子を戸惑わせ混乱させる。
本質的にそういうものです。

予想もしない領域に連れ出される。

それが師と出会うことの意味です。
だから弟子はかならず師に戸惑いと反発を覚える。
そうでないと師ではない。

同時に師とは

「戸惑いと反発の向こう側になにか途方もなくすてきな未知がまっているんじゃないか」
そういう予感を絶えず弟子に感じさせる存在でなくてはなりません。


いちばんりっぱな弟子だったのはミッチーだったと思う。

右京への距離・反発とないまぜになった
「右京によって連れ出された新しい領域での発見の喜び」をシャイに表現していた。
そこからいちばん遠そうなのが反町隆史。
だってどう見たって「弟子」に似つかわしくないキャラクターだから。


シーズン14の相棒、反町隆史はこれまでの相棒とはちょっと違う気がする。

老獪。
その点で杉下右京と共通する。

だけれども。

反町隆史演じる老獪な冠城亘(かぶらぎわたる)が、
右京と対等な位置から弟子に「なりさがっていく」

そこが今シーズンのおもしろさかな、と予想してます。



2時間スペシャルだからストーリーはけっこう複雑。

でも最後のエピソードは余計だし変だと思った。

刑務所の中で思想を熟成させ、(たぶん当人が望んだわけでもなく)

「信者」たちを獲得していった梅津。

その梅津が先生と仰ぐ坊主(大和田獏)。


梅津は坊主を「創造者」だと言うのですが、

最終的に坊主は梅津を「失敗作」だったと当人に告げ、
その結果として梅津は自殺する。
それがこの回の最終的な事件の真実です。

『フランケンシュタインの告白』というタイトルはそういうことらしい。
坊主がフランケンシュタイン博士で、
梅津がフランケンシュタインの怪物だということらしい。


しかし。
坊主が梅津を新たに「創造」し、しかもそれを「失敗作」だと言う。
そんなことは仏教ではあり得ないんじゃないだろうか。

わたしのおぼつかない仏教理解からはそう思えます。

坊主と衆生(梅津)との出会いはあくまで「縁
(えん) 」であって、

人間がそういう出会いなり人間関係をコントロールすることはできない。
ましてや人が人を「創造」することなどできない。

梅津を自殺に追いやった「罪」を、
最後に坊主が悔いて合掌する。

キリスト教ではありうるかもしれないが、
坊主がそうするか?
こんな坊主がいるとすると仏の教えをわかっていない三流坊主でしかないし、
ひたすら思想を鍛え上げてきた梅津が師と仰ぐ存在だとも思えない。


要するに、
この坊主にリアリティがない
「余計なエピソード」と書いたのはそういうことです。

そうはいっても。
次回作以降に期待してるぜ。
期待を裏切らないでくれい。



あ、書き忘れた。

鏑木亘が遊び相手だと思われるセクシーな女に頬をはたかれるシーン。
脚本自体が「もてる男、反町隆史」というステレオタイプに寄りかかって安易だなあと思うし、
そういう「紋切り型の反町隆史のイメージ」に、
反町隆史が演技でさりげなく抵抗を示して欲しかった。
この場面の反町隆史は演出にあまりに従順すぎたと思います。



2015年10月12日月曜日

炸醤麺(ジャージャー麺)

ジャージャー麺は、甘辛い肉味噌を絡めて食べる汁なし麺です。

いつ頃からある料理なんだろう?
調べてないけど気になる。
というのは、
スパゲティー・ミートソース(ボロネーゼソース)はこれが元なんじゃないかと密かに思ってるからなのです。

北京でジャージャー麺を食べて感激したマルコ・ポーロが、
「中国では小麦粉を細くのばして麺にして、肉味噌をかけて食べるんだぜーー」
と帰国後に吹聴。
これがきっかけでイタリアにパスタとボロネーゼソースが根づくことになりましたとさ。

いや、根拠のない憶測にすぎないんですけど。


閑話休題(あだしごとはさておき)

『鉄鍋の掟』
いい本です。
陳建一『鉄鍋の掟』(KKベストセラーズ、2002年)は、
カンスイが入っている麺だと茹でたあとでくっついて団子状になり、
肉味噌がうまく絡まないのでおいしくない。
だからジャージャー麺には
カンスイが入っていない麺を使いなさい
と言っとります。

たしかにスーパーなんかで買える焼きそばとかラーメン用の麺だとグチャグチャくっついておいしくできない。

でも、カンスイが入っていない麺は手に入れにくい。
乾燥の卵麺や蝦子麺は細すぎて肉味噌には向かない。

どーすりゃいいんんだあーーーっ!

しかし。

閉店してしまいましたが、吉祥寺の井の頭公園近くに
「ヌードルチャフェバー」
という無国籍麺料理の店がありました。

数年前に食べたここのジャージャー麺がすばらしかった!
太めの麺に肉味噌が絡んで、たっぷり添えられたキュウリと絶妙に合う。

これをなんとか再現できないもんだろうか、
と試行錯誤をした結果、
パスタの「リングイーネ」がいちばん近いとわかりました。

ところが。
ツルツルすぎて肉味噌が絡まない!

そんな折、テレビ番組であるラーメン屋がとりあげられているのを目にしました。
その店は極太の麺を使っているのですが、
スープを絡ませるために、
茹で上がった麺を金ザルに入れてバシバシ振っていました。

金ザルの目で麺に細かな傷が入る。
それでスープがよく絡む。

「こ、これだあっ!」

柔らかめに茹でたリングイーネを
金ザルに叩きつけるようにバシバシ振ってみました

正解。
肉味噌が絡むようになった。
「ヌードルチャフェバー」にかなり近い。

というわけで、
わたしのジャージャー麺はリングイーネを使います。

リングイーネが手に入らなければ、
ラーメン用の太麺を使います。
その場合は、ザルに受けた後、全体に少量のサラダオイルをまぶすと、
ぐちゃぐちゃくっつくのが改善されます。
もちろん金ザルに叩きつけたりはしません。
あと、日清の「ラ王」の麺も太くていい。

材料の椎茸は、生椎茸でもいいのですが、できれば
前の晩から冷蔵庫で戻した干し椎茸を使う方がおいしいです


ジャージャー麺の作り方


《材料》(2人分)
リングイーネ      160g(なければラーメン用の太い中華麺2玉)

《肉味噌の材料》
豚挽肉         120g
椎茸          4~5枚
なす          1~2本
白ネギ         1/3本
甜麺醤(テンメンジャン)    大さじ3
醤油          大さじ2
紹興酒         大さじ3
ガラスープ       120cc

キュウリ        1/3本
大葉          5~6枚
ニンニク        1~2片
ショウガ          1かけ
片栗粉         大さじ2を水に溶いておく
サラダオイル、ゴマ油  適量
ゴマ油
塩、胡椒



【下準備
1) 鍋に湯を沸かしはじめる。

2) 白ネギ、ニンニク、ショウガはみじん切り。ナスと椎茸は粗みじん。大葉とキュウリは細切りにする。

3) 甜麺醤、醤油、紹興酒を混ぜ合わせる。お好みで豆板醤かコチジャンを小さじ1/2加えてもいい。

【肉味噌を作る
挽肉を炒めてます。
油は使ってない。
1) まずフライパンに油をしかずに豚挽肉を入れ、パラパラになるまで炒める。これは挽肉料理全般に使えるやり方です。

2) 豚肉を寄せて空いたところにニンニクとショウガを入れて火を通す。
(リングイーネを使う場合は、この辺で茹ではじめるといい)

3) 混ぜ合わせておいた甜麺醤・醤油・紹興酒を入れ、豚肉に絡ませる。焦げつかないように中火で。肉から出た油で足りないようならサラダオイルを足す。
ナス、椎茸、ネギを加えてさらに炒める。

4) ガラスープを加え、味見をして塩・胡椒で味を調える。
(中華麺を使う場合はこの辺で麺を茹ではじめるといい)

5) 水溶き片栗粉を入れてトロミがついたらゴマ油を少量かけ回して、麺の茹で上がりを待つ。

【麺と肉味噌を合わせる

リングイーネの場合、指定時間より長めに茹でる。
茹で上がったら金ザルで受け、
全体をまんべんなく金ザルに叩きつけるようにする。
こうすることで肉味噌が絡みやすくなります。

(中華麺の場合は茹で上がったら少量のサラダオイルを全体にまぶす)

皿に麺を入れ、
肉味噌をかけて脇にキュウリを添える。
大葉をのせて完成。

今日は娘が味玉を仕込んでいたので
乗っけました。もちろんなくてもいい。



2015年10月11日日曜日

アサリとねぎの焼きそば

中華のチェーン「紅虎餃子房」のことは前に投稿しました。
今はふつうの中華になってしまったけれど、
昔の荒々しい大衆中華だった頃のメニューに
「アサリの焼きそば」
がありました。
ニンニクとオイスターソースを効かせた下品なおいしさ。

それをわたしなりに再現したものです。


アサリは多い分にはかまいません。

アサリと言えば。
九州出身のわたしが上京して驚いたのがアサリの小ささ。
「こ、これはシジミか!」
と思いました。
でっかいアサリで作るのが理想ですが、手に入らないのでしょうがない。



アサリとねぎの焼きそばの作り方


《材料》(2人分)
中華麺            2玉(焼きそば用ではなく太めのラーメン用の麺)
アサリ         1~2パック
九条ねぎ(またはワケギ) 1パック
キャベツ        2つかみくらい(なくてもよい)

ニンニク        1~2片
ショウガ          1かけ
日本酒           1カップ弱
サラダオイル、ゴマ油  適量
塩、胡椒




【下準備
1) 九条ねぎ(またはワケギ)とキャベツはザク切りにする。
ねぎの青臭さがポイントなので細ねぎではだめです。
ニラでもいいかもしれません。
アサリの蒸し焼き

2) 砂抜きしたアサリと日本酒を鍋かフライパンに入れて蓋をして蒸し焼きにする。
短時間で貝が開くと思います。
蒸し上がったらスプーンで身をすくい出す。
小さいアサリだとちょっとめんどう。
九州のアサリだと楽ちんなのに、と思います。

蒸し汁はうまみが出ているので決して捨てないように!

3) ニンニクはみじん切り。ショウガは細長い針ショウガに。


【作る
1) 熱したフライパンにサラダオイルを入れ、ニンニクの香りを移す。この辺で隣の鍋で麺を茹ではじめる。指定時間より短めに茹でます。

2) フライパンにねぎ、キャベツ、アサリと蒸し汁を加えて、塩胡椒をふる。
水気が足りないようなら、湯で溶いたガラスープを加える。
味つけの基本は塩。オイスターソースは香りづけです。

3) 茹で上がった麺をしっかり湯切りしてフライパンに入れ、ゴマ油をかけ回して混ぜる。
オイスターソースを控えめにかけたら火を止めてあおって混ぜる。


【完成
針ショウガをかけて完成。


2015年10月2日金曜日

小エビ入りクスクス、ディル風味

乾燥状態のクスクス

クスクスは、チュニジア、モロッコなどの北アフリカから中東、南ヨーロッパの地域で食されている米粒より小さなパスタです。

一般的なパスタが茹でて食べるのと違って、
クスクスは熱湯をぶっかけて蒸らすだけ。
調理が簡単でおいしい。

肉を入れたスープに近いトマトソースをかけた料理が一般的だと思います。
その料理自体も「クスクス」と呼ばれることが多い。

ラムチョップと鶏もも肉のトマトソースをかけたクスクスはわたしの十八番なのですが、
今日はそれではなくて小エビを混ぜたクスクス。

メインの肉や魚の脇に添えるつけ合わせみたいなものです。
ただし、
クスクスは水分を吸って膨れるので侮ってはいけません
おいしいからとガツガツ食べてしまうと、あとで胃が破裂するんじゃないかと思うくらい苦しくなる。量はほどほどに。
これが添えてあればパンやご飯は不要かもしれません。

このクスクスはエミレーツ航空の機内食で出てきたものを
記憶を頼りに自分なりのアレンジを加えて再現したものです。


小エビ入りクスクス、ディル風味の作り方


《材料》(数人分)
クスクス        1カップ
小エビ         100g超
生椎茸(またはブラウン・マッシュルーム) 適量
赤タマネギ       1/4個
ディル         適量(1/2パック以上)

EVオリーブオイル      適量
レモン         2切れ程度
ナンプラー       大さじ1弱
塩、胡椒、酒      適量
熱湯          1カップ     



【下準備
1) 赤タマネギを薄切りにして水にさらす。10分ほどさらしたら水を切って細かく刻む。

2) 少量の湯に酒とレモン1切れをしぼり入れ、小エビを茹でる。
1分ちょっとで火が通ると思うので、ザルに取って水で洗い冷やし、細かく刻む。

3) 生椎茸またはブラウン・マッシュルームを細かく刻み、
軽く塩胡椒で味をつけながらオリーブオイルで炒める。
このあたりでボールに入れたクスクスに熱湯1カップをかけ回し、蓋をして蒸らす。

4) ディルを細かく刻む。
ディルは必須です。好みによりますが、わたしは1/2パック入れる。
ディルは痛みやすいし、冷凍すると香りが飛んでしまうのでさっさと使っちゃいたいことも理由です。


【混ぜる】
膨らんだクスクスに、上の赤タマネギ・小エビ・椎茸・ディルを入れ、オリーブオイルを少量かけて混ぜる。
ナンプラーとしぼったレモン汁で味をつける。
これで完成。
簡単でしょ?

ディルの香りが広がるさわやかなクスクスです。
常温または冷菜なので、
余ったら冷蔵庫に保存しておいてそのまま食べられる。
グリーンサラダに混ぜてもおいしい。


今日は前に作り方を投稿した「鶏肉のトマト煮、ヘレス風」に添えました。
トマトソースにシェリーを入れるのがヘレス風。
今日のトマトソースには
ナスを加えてます
なのでいっしょに飲むのもシェリー。
今日のは、キリリと冷やした「マンサニージャ」という辛口の種類です。
名前は「ラ・ヒターナ」。「ジプシー女」という意味です。

おいしい!
クスクスとも合いました。

2015年10月1日木曜日

ピトロッコリーのシングルモルト


スコットランドにピトロッコリーという小さな町(というより村)があります。
30年ほど前に家族とともに訪れました。

趣のある駅に着いたのは夕方。
冬のスコットランドなのでもう真っ暗でした。

B&Bは予約してあったのですが、
クリスマスシーズンの日曜日なので夕食が心配でした。

案の定、どの店も閉まっている。
だけれど一軒だけ開いてた。
なんとこんな小さな村にも中華があったのです!
世界のどこにでも出ていく中国人のたくましい商魂にこれほど感謝したことはありません。

外は身を切るような寒さでしたが、
たどり着いた風情のあるB&Bはしっかり暖房を入れてくれていて、
快適な眠りにつきました。



翌朝、まだ幼かった子供たちを連れて郊外を散歩。

スコットランドの美しい高原に巨大と言っていい黒っぽい牛が放牧されています。
恐怖を感じるくらい巨大。

その高原を走ってくる人がいて、わたしたちを見て立ち止まり、
「日本人ですか?」と聞いてきた。
なんと日本語で。
こんなところで日本語を話す人間に会うとは思いもしませんでした。
日本にいたことがあるそうで、現在(当時)も日本語を勉強しているそうです。

スコットランドの高原の美しさを満喫しました。




エドラダワーというシングルモルトのスコッチがあります。


カレドニア
「カレドニア」という限定品が軽快でとてもおいしかった。
わたしがこれまで飲んだシングルモルトの中でも最上位に入るくらい。
(今はもう手に入らないようです)


エドラダワー10年
最近、定番の「エドラダワー10年」を飲んでいるのですが、これはスタンダードなおいしさ。

で、箱の説明をなにげなく読んでいると。


なんと!
この小さな蒸留所は、あのピトロッコリーの高原にあるのです。


偶然の一致。


美しい風景と、肩肘張らないやわらかな味とがあらためて共通している、
そう感じました。

エドラダワー、いっそう好きになりました。