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2015年11月4日水曜日

ファンタスマゴリ——どうなっちゃったんだ、『相棒』?

(ネタバレあり。注意)

どうなっちゃったんだ、『相棒』?

今回の「ファンタスマゴリ」、シーズン14の行く末が案じられるボロボロのストーリーだった。


警察も手を出せない闇の大物フィクサー、譜久村聖太郞(ふくむらせいたろう)
20年前、捜査2課にいた杉下右京もあと一歩まで迫りながら逮捕できなかった。
その因縁の相手に右京が挑む。

その大枠はまあよろしい。
そして闇の大物の家宅捜査にこぎ着けるまでの、
右京と冠城亘(かぶらぎわたる)の老獪な知恵も『相棒』にふさわしい。


しかーーーーし!

肝心の殺人事件の粗雑さは何なんだ???


冒頭は譜久村の愛人、柳本愛が自宅で拉致される場面。
花瓶の青いバラが強調される。

思わせぶりな出だしなんだが。


警察を辞職したあと20年間譜久村を追い続けた、かつての右京の上司、片野坂(かたのさか)

彼が譜久村に仕掛けた一世一代の罠が、ネットマネー「ファンタスマゴリ」。
これによって譜久村を脱税に誘い込もうとするのだが、
パソコンやネットに詳しくない譜久村のアドバイザーがなんと柳本愛!

おいおい。
だったらなんでわざわざ自宅から拉致させる必要があるんだ?
呼びつけりゃ済む話じゃないか。

しかも。
右京が柳本愛の失踪を調べはじめたのは、
「柳本愛は俺の愛人だ」と言った片野坂の依頼から。

なのに実際は、柳本愛は片野坂の愛人ではない。
連絡を取りあっていた様子もない。
それが後半で明かされる。

ではなぜ片野坂は柳本の消息不明を知ったのか?


そして肝心の柳本愛殺しが、
トリックもへったくれもない粗雑なもの。
逆上した譜久村爺さんが発作的に日本刀で刺し殺す。
庭師に命じて自宅の庭に埋めさせ、
その庭師を殺させる。

闇のフィクサーならもっと悪知恵に満ちた殺しをしてくれーー。


何よりがっかりだったのは、
「文化の産物」にこだわってきた『相棒』なのに、
冒頭から強調される青バラの扱いのいい加減さだ。


青バラはロザリアンの見果てぬ夢だ。
ようやく数年前に「ラプソディー・イン・ブルー」という品種が作出され、
青バラの実現として世界中のロザリアンの話題になった。

その「ラプソディー・イン・ブルー」でさえ、
「青」とは言いがたい「青紫」。

世界のデヴィッド・オースティン級のロザリアンが、
半生をかけてもなかなか作出できない。
それがバラの「青」だ。

一介の金持ち爺さんが趣味で作出できる代物ではない。
譜久村はバラの会社だか協会だかを作っているんだけど、
そんなレベルでできる代物でもない。

譜久村が品種改良した「聖なる愛」はまっ青に近い。
ロザリアンならわが目を疑うくらいの青。


これまでの『相棒』は、
紅茶や時計や人形や、そういう「文化の産物」をきちんと調べ、
ドラマにみごとに活かしてきたと思う。

今回の青バラはあまりに情けないぜ。


もう一度書く。
どうなっちゃんだ、『相棒』?


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